山と自転車

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【ロードバイク】ビーナスラインを走る 霧ヶ峰〜美ヶ原高原ライド2022.10

ロードバイクで高原のビーナスラインへ

高原は良いものです。春は冬を乗り越えた植物たちの生命を感じ、夏は入道雲と青空、涼しい風。秋は一面のすすき。冬はスノーハイクとウィンタースポーツ。山梨県民的には諏訪の霧ヶ峰・車山高原は車で1時間ちょっとで行ける馴染み深い場所です。夏のハイキングやスノボで何度も訪れている霧ヶ峰ですが、松本の美ヶ原までビーナスラインなる道路が続いているらしいことをCYCLE SPORTSにて知りました。三連休初日、不意に時間が空いていたので走ってきました。

走行データ

旅の駅 霧ヶ峰ビーナス

もともとは諏訪湖スタートで霧ヶ峰〜美ヶ原を走ろうと思っていましたが、その場合往復約100km、獲得標高は3000mにも及ぶ高強度ライドになります。特に諏訪湖から霧ヶ峰までの登りが恐ろしすぎる。今回は午前中に仕事が入っていた関係でスタートが13時半頃になるのが分かっていたのでトランポして霧ヶ峰スタートにしました。諏訪ICで高速を降りてから424号を登って旅の駅「霧ヶ峰ビーナス」に車を停ました。

文字通り霧が多いことから名付けられた霧ヶ峰高原ですが、晴れ予報には見事裏切られ、曇天のスタートになりました。美ヶ原を目指すので194号線の方に進みます。

ビーナスラインスタート

スタート地点は標高約1600mで、そこから美ヶ原までは標高差約400mで距離24kmの道のりです。24kmかけて400m登るんだとすれば鍛えられたローディからすればほぼ平地、楽勝可と思いきやこの道はうんざりするほどのアップダウンが延々と続くのでなんとトータルで1300mほど登ることになります。道の雰囲気としては交通量の多い乗鞍という感じです。

諏訪湖と諏訪〜岡谷mの町並みが見えます。晴れていれば中央アルプスと北アルプスの一部が見えるはずのアングルです。

路面状況は概ね良好ですが、美ヶ原に近づくにつれて荒れていきます。その辺りに関してはサイクリストの聖地乗鞍はさすがだなぁと思いますが、よく考えたら乗鞍も冷泉小屋より下は道ガッタガタでダウンヒルで下手すると浮きます。そして乗鞍と異なりビーナスラインはマイカー規制エリアではないため、比率としてはオートバイ>>>>>乗用車>>自転車という感じです。

晴れていれば絶景なはずのビーナスラインですが、今回のコンディションはこの通りサイレントヒルです。霧雨も降ってきていよいよ本当にサイレントヒル。本当にくどいくらいヒルクライムとダウンヒルが交互に現れるので濡れた路面では緊張感が高まります。ちなみに気温は10度くらいでこの時期としては極寒です。

扉峠

基本は斜度4~8%くらいの道が大半を占めています。オートバイが多いので後ろに車両の気配を感じたら先に行ってもらうようにします。世の中には道路のど真ん中を我が物顔で走る勘違いローディがいますが、どう考えても人力では敵わないので邪魔なだけです。正しいローディのイメージを損なうので殲滅したいです。

美ヶ原直下

美ヶ原直下まではいつまで経っても看板が示す標高は1600mと1700mで、登ったり降りたりしてプラマイゼロの状態でうんざりしてきますが、いよいよ美ヶ原が近づくと急に斜度8-12%に跳ね上がって完全なヒルクライムになります。ここまで来ると距離的にはあと一息になるのですが、終盤にして本格的なヒルクライムの様相を呈してきます。

左上の霧の中にうっすら道路のようなものが見えます。どやんすどやんす??

この道は先が見えやすいのが良いところでもあり最悪なところでもあります。個人的には先は見えている方がありがたいですが、人によってはあそこまで登るのかと戦意喪失しそうです。

ゲロゲロになりながら前の写真で見えていた道まで登って振り返って1枚。こんな天気でも登ってきた道が見えるのは楽しいです。この辺りも乗鞍を思い出します。

斜度が上がってからの最後の道のりは距離的には1km程度なので、脚にはきますが意外にさくっと終わります。

ヒルクライムゴール ふる里館

バイクでのヒルクライムとしてはゴールになるふる里館に到達しました。ここから未舗装路を少し歩くと美しの塔、トータル5kmほど歩くと山頂に当たる王ヶ頭2034mやらに行くことができます。しかし晴れそうにもないこの天気なので次回の楽しみに残すことにして帰路に着きました。

帰路の最初の関門は美ヶ原直下のダウンヒルです。夏なら気持ち良さそうですがこの日はこの時期としてはかなり極寒のコンディション。寒さと路面状況が悪いことで最悪のダウンヒルです。長野〜霧ヶ峰方面はわずかに晴れていて、写真は霧ヶ峰を挟んで諏訪と反対側の上田市街方面を見ています。

帰路の霧ヶ峰方面。

この時期の高原はすすきに覆われていて黄金色の世界です。こういうのを全身で感じるのにはやはり自転車が一番適していると思います。

霧ヶ峰-美ヶ原ピストン、ようやっとゴールしました。帰ってきた頃には少し晴れ間が出ていて、西日がすすきを照らして幻想的な雰囲気でした。

見てくださいこの黄金色。高原×すすき×西日。

すすきは冬に向かって枯れゆく植物の象徴。通年夏ならいいのにと本気で思っている夏至上主義の私としては夏が終わってしまったことを実感してしまうので切ない景色です。

あああああ(語彙力)。

車で降りたこの帰り道。トップガンのメインテーマを流しながら走りました。

霧ヶ峰まで車で登ったことで辛いところをエスケープしてかなりゆるふわライドになるのではなかろうかと淡い期待をしていましたが、逆に思ったより登りで全然普通に辛かったです。これに加えて諏訪から霧ヶ峰まで登る人は何考えているのか分かりません。ということで次回がもしあれば同様の行程で晴れている時にリベンジしたいところ。しかし寒いとダウンヒルが辛いので夏のうちに走るべきでした。