山と自転車

登山や自転車に関することを綴っています

【DNF】ロードバイクで200kmライドに挑戦 甲府盆地〜湘南江の島往復

 

目指せロングライダー 200kmの壁

初挑戦の200kmライドに挑戦して両側の腸脛靱帯炎を発症して180km地点でリタイアした、悔しくて死にそうな思いを記事にしました。戒めと備忘録です。

ろんぐらいだぁす!との出会い

ロードバイクに乗るようになり10年近くが過ぎても、自分でも不思議なくらい一貫してロングライド、自転車旅が好きでレースに一切興味が沸かない私。弱虫ペダルにハマっても自分がレースに出てみたいと思うことはなかったのですが、その一方で強烈に刺激を受けた作品が「ろんぐらいだぁす!」です。自転車漫画としては珍しくレースを題材にしておらず、ブルベやFleshといったロングライドに特化した作品です。レースには興味が出なくともこの作品をきっかけにブルベには非常に興味が出て、来年に出てみようと考えている次第です。ということでブルベの入門として一度200kmオーバーをやっておこうと思い立ちました。きっと200kmくらいでロングって大げさな…なんて思う人がいると思いますがそんなあなたは立派なアタオカ側の方です。一緒にしないでください。

200kmオーバーを走ることが目的とはいえ、距離を走ること自体が目的になるのは精神的に辛いので目的を作ることにしました。矛盾してるようですがこう言うしかありません。海無し県こと山梨県在住なので、せっかくならば海を見に行くという名目で200kmを引きました。

ルート

甲府の自宅から国道20号を東へ進み、高尾から八王子に出て、さらに国道16号を経て467号線を南下し江ノ島まで行くルートを作りました。江ノ島までで約125km。往復すれば250km。甲府から江ノ島が意外に近いことに驚きました。

可能なら250km走ればいいし、途中でトラブルがあっても小田急線、横浜線などを乗り継げば輪行でエスケープできるし、目標達成した200km地点で輪行に切り替えてもいい、どうにでも転べるドリームプランです。初挑戦なのでこのくらい保険をかけておいた方が安心です。

いざ挑戦

季節は10月頭。朝夜は寒くなり始めるものの日中はまだ半袖でも過ごせるくらいのちょうど良い季節です。ロングのレーパンに半袖ジャージ+アームカバー、ウインドブレーカーで体温調整できるようにして出陣です。

朝5時半に自宅を発ち、薄暗いうちに20号を東京方面に進んでいきます。山梨→東京方面は標高的には下り基調ですが勝沼を過ぎたくらいからまあまあなアップダウンが始まります。甲府発では笹子トンネルまでの25kmは基本登りで斜度はきついところで8%くらい、という道のりです。

 

ロングライドの基本「ギアは残さず脚を残す」を胸に、普段より早いタイミングでフロントをインナーに落とし、ちょっとでも踏む力が必要に感じたら躊躇わずに最小ギアまで落として漕ぎ続けます。この辺りの指標はパワーメーターで一定のパワーを保つとか、心拍数を目標範囲に保つようにするのが良いのかもしれませんが、パワーメーターはガチのレース用機材というイメージがあるし高いし単に自転車を楽しむという気持ちが薄れる気がして使いたくないと思っている私です。基本的にはケイデンスベースでペースをコントロールしています。とはいえ心拍数はジムでもよく見るパラメータで馴染みもありますし、疲労度に直結して分かりやすそうなのでそのうち導入したいところです。

今回はCYCLE SPORTSのロングライド特集で目にした、ロングライドに適した運動強度の指標の一つである「会話を続けるのは難しいが長時間保つことができるペース」を目指し、時折一人で喋ってみたりしました。やべえ奴だったかもしれません。

大垂水峠

20号は笹子トンネルまで登り、以降は下り、上野原付近で登りになり相模湖を抜けるくらいまで上りが続きます。登りは極力脚を使わずに進み、時速でいうと10-15km/hくらいを維持し、下りで40-60km/hくらい出して時間を稼ぎます。

相模湖辺りになると急に東京方面から来るローディが増えてきて、彼らの軽快なダウンヒルを横目にノロノロと登ります。やたら登るなと思っていたらここは有名な大垂水峠でした。たぶん東京方面から登るほうがキツそうな感じです。

国道20号は明らかに東京→山梨の方が登り基調なのでこの時点で往復する選択肢は消えました。すると帰りは八王子から特急に乗るのが乗り換えもなく最もスムーズなので、江ノ島を経由して八王子まで走ってちょうど200kmになるルートを頭の中で考えつつ走ります。

大垂水峠からは高尾まで下り、以降は江ノ島まで基本的に平坦な道になります。ここまでは下りでの帳尻合わせが功を奏し、概ね目標としていた平均25km/hのペースを保っていました。

高尾から先は町田街道に合流し、町田方面に向かって進み、相模原付近で国道16号に乗り換えます。246号と合流するまでは町田街道を進んでも良いのですが、町田街道はとにかく道が狭くて交通量が多いので、まだ16号の方が道路脇が広い分走りやすいです。

246号に合流したら厚木方面に右折、すぐに江ノ島に続く467号と分岐するのでそちらに左折します。467号まで来ればひたすら南下していくと藤沢駅を経て江ノ島に到着します。藤沢駅に近づくにつれて信号と車がますます増えていくので走りづらくなってきます。

由比ヶ浜

ここで地図を見て計算すると、ストレートに江ノ島まで行って八王子に帰ると180kmになるので20km足りません。なので予定変更し藤沢駅から鎌倉を目指し、海沿いの134号線を茅ヶ崎まで走ることで足りない20kmを稼ぐことにしました。全然写真を撮っていなかったのですが由比ヶ浜での1枚です。

134号は鎌倉から江ノ島方向に走るとちょうど左手に海が見えて、右側には道路を挟んで江ノ電が伴走している、湘南を象徴する道路です。高校生の頃はロードバイクはそれほど目立たずオートバイばかりだったように思いますが、年々自転車乗りが増えている道路でもあります。この道は私の大好きな作家の1人、貴志祐介先生の「青の炎」の舞台でもあります。アリバイ工作のためこの道をロードバイクで猛スピードで駆け抜ける描写が心に刻まれています。二宮和也さん主演で映画化もされている名作です。

江ノ島

スタートから6時間半、走行距離140kmで江ノ島に到着しました。直江津集合みたいに江ノ島の海水を小瓶に入れて運ぶやつをやろうと思っていたのに容器の準備を忘れていました。

裏切った膝

体力的にはまだまだ余裕があり残り60kmで200kmクリア。ゆっくり走ってもブルベの規定タイムはクリアできるし何ならもう少し走れちゃう??なんて思っていたけれど。

110kmくらいから、わずかに右膝の外側に感じていた違和感が完全に痛みに変わってしまっていました。これはいつぞやに瀬戸内ツーリングで経験した地獄の腸脛靱帯炎に違いなく、この状態からペダリング不可能になるまでは長く保たないことは分かっていました。ただし、前回に比べると程度としてはマシで少し休むと一時的に痛みが和らぎました。

この時点ではまだ完走可能だと思っていたので、計画通りに江ノ島から茅ヶ崎方面に適当に進んだところで方向転換し、辻堂から湘南台まで抜けて467号に合流して最後は16号沿いに八王子まで進むことにしました。そしてさらに20km走った160km地点で、いよいよエネルギー切れが深刻化してきたのでラーメン屋で補給しました。食事中の休憩で膝の痛みがなくなることを期待しましたが全く改善せず、それどころか左側まで同様に痛み始めました。この時点で無理なんじゃないかと冷静に考え始めました。

リタイアを決意

467号は小田急江ノ島線と伴走するのでどの地点からでもだいたい5kmも走れば輪行に逃げることができます。桜ヶ丘辺りでリタイアを本気で考えたものの、土曜の町田駅の人手の中、この脚でばらした自転車を抱えて小田急線から横浜線への移動を想像したらまだ走った方がマシだと思いました。体力が余っていても身体が動かなければもう終わり。いよいよ200kmクリアは諦めてJR町田駅をゴール地に再々設定しました。

膝が痛くてペダルに力が伝えられず、歯を食いしばっても平地でも20km/hくらいしか出せません。欠かさず持ち歩いている鎮痛剤を飲んでも物理的な痛みには効果がないようです。

16号に出たところで青看板が現れ、八王子までの距離を現在の走行距離に足すとちょうど200kmになります。やはりボロボロでも八王子まで行くか?と思いながらもこの激痛には勝てませんでした。心のなかでDNFを宣言し、町田駅に向かい右折し16号を離脱しました。

感想と反省

走行距離180km、腸脛靱帯炎によりDNF。客観的に考えて、膝痛がなければおそらく200kmは9時間くらいで走れたのではないかと思います。獲得標高によってかなり変わってくるとは思いますが今の自分は200kmオーバーを走る「体力」は持っていると考えられました。

補給に関してはコンビニ補給3回とラーメン補給1回で、コンビニでは毎回950mlのアクエリアスと氷を買ってボトルに詰めていました。

ラーメン補給の後は膝こそ痛かったものの気力とスピードはかなり大きく回復したので、振り返るとカロリー補給は足りなかったと思われます。よく言われることですがやはり空腹を感じる前に補給するのが良いようで、次回は時間や距離で補給する間隔を一定にしてみようと思いました。

何より深刻なのは腸脛靱帯炎ですが、とりあえず今出来ることは筋膜リリースやストレッチで、特に前回効果を感じた筋膜リリースは日々継続してみます。根本的な原因はペダリングの技術and/orペダルとクリートの調整不良あたりにあると思うので研究してみたいと思います。

 

初挑戦の200kmライドは残念ながら完走できませんでしたが、近い距離感で消耗度を実際に知ることができたのは大きいと思います。また近いうちルートを変えて挑戦しようと思います。

リザルト

追記 カント角調整で腸脛靱帯炎を克服しました!

腸脛靱帯炎について調べまくってカント角調整なるものに辿り着き、私の腸脛靱帯炎はほぼ完全に克服されました!

www.mount-road.com